多重通信

一陸特突破のために把握しておきたい衛星通信のポイント

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衛星通信とは、宇宙に打ち上げられた衛星と、地上に設置された「地球局」との間で行う通信です。

一陸特の試験にもよく出てきますが、問われる部分は大抵同じなので、問題を通して見ていきたいと思います。

(問)

次の各項目は、通信衛星に関する特徴などの記述である。
このうち正しい項目の番号はどれか。

1.静止衛星は赤道上約36000[km]の軌道上にあり、その周期は約12時間である。

2.通信衛星の電源には太陽電池が搭載されているので、太陽光によって常に充電された状態である。

3.赤道上空に2個の通信衛星を等間隔に配置することで、極地域を除く地球の大部分の地域を常時カバーする通信網が構築できる。

4.10[GHz]以上の電波は降雨による減衰が小さいので、衛星通信に利用しても信号の劣化が少ない。

5.通信衛星からの送信電波は微弱なため、地球局の受信において、夏至および冬至の頃に太陽雑音の影響を受ける。

6.衛星通信における地球局のアンテナには、主に小型のオフセットパラボラアンテナが用いられる。

7.静止衛星から地表までの距離を電波が往復する時間は、約0.25秒である。

8.往路および復路両方の通信経路が静止衛星を経由する電話回線においては、送話者が送話を行ってからそれに対する受話者の応答を受けとるまでに、約0.3秒の遅延がある。

問題の形式としては「穴埋め」「間違いを選ぶ」「正しいものを選ぶ」ものがよく見られます。

ここでは「正しいものを選ぶ」形式を採用してみました。

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1.静止衛星が赤道上約36000[km]の軌道上にあるという記述は正しいのですが、衛星の周期は約24時間です。

ここでいう周期とは、衛星が地球を1周する時間を指します。

1日は24時間ですから、地球の自転周期も24時間、つまり衛星の周期と同じですね。

このため、地球からは衛星が同じ位置に静止しているように見えるのです。

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2.確かに衛星には充電可能な太陽電池が搭載されていますが、春分と秋分の付近においては、地球の影が衛星にかぶさり、太陽光が衛星にあたらない期間があります。

この現象を「衛星食」といいます。

光があたらないうちは充電ができないので、あらかじめ衛星に蓄電池等を載せておく必要があります。

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3.地球の大部分の地域を常時カバーするために必要な衛星は、最低3個です。

なお、衛星が配置されているのが赤道上なので、北極や南極付近は、どうしてもカバーできない地域が発生してしまうのです。

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4.逆です。10[GHz]以上の電波は降雨による減衰が大きくなるので、衛星通信に利用した場合、信号の劣化も多くなります。

全く通信できないわけではないですが、受信が途切れやすくなるので、重要な通信は天気の良い日にした方がいいですね。

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5.衛星からの電波が太陽雑音の影響を受けるのは正しいですが、時期については春分と秋分の頃となります。

このように、選択肢に間違った時期が書かれていることはよくあります。

衛星食と太陽雑音はともに春分と秋分ですので、頭に入れておいてください。

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6.その通りです。オフセットパラボラアンテナについてはこちらでも紹介してますので、参考にしてみてください。

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7. 電波の動きを図で表すと、次のようになります。

電波の速さは光と同じで\(3\times10^8\small[m/s]\)、衛星は赤道上約\(36000\small[km]\)にあるので、往復の距離は2倍の\(72000\small[km]\)です。

よって、距離=速さ×時間の公式より、

往復時間=\(\Large\frac{72000000\small[m]}{3\times10^8\small[m/s]}\)\(=0.24\small[s]\)

計算結果は0.24ですが、選択式の場合、間違いの選択肢は0.1とか0.2など明らかに離れた値が書かれているので、「約0.25」という記述は正解になります。

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8.例えば衛星回線を使った電話中、片方の人が送受話器から「元気?」と言った後、相手からの「元気です」という返事を聞くまでにどれくらい時間がかかるか、ということです。
(電話の相手は「元気?」という声を聞いた後すぐに「元気です」と喋るものとします)

この場合の電波の動きは項目7番と一緒で、単純に2往復してるだけの話です。

なのでかかる時間は、0.24の2倍の0.48[s]ですね。

まともに計算すると、

2往復の時間=\(\Large\frac{144000000\small[m]}{3\times10^8\small[m/s]}\)\(=0.48\small[s]\)

となります。

なお、この場合もピッタリの値が選択肢に無くても、他の値が問題文のように明らかに離れている場合は、一番近い選択肢(約0.5秒など)が正解となります。

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以上から、正しい項目の番号は67になります。

衛星通信に関する問題も、大半は覚えておけば正答できますので、少しずつ頭にいれておくようにしてください。

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