ある無線局においてFM(F3E)通信を行う。信号波の最大周波数が15[kHz]、最大周波数偏移が45[kHz]のとき、占有周波数帯幅の値[kHz]を求めよ。
結構目にする問題ですが、計算自体はそこまで難しいものではありません。
むしろいくつかの式を覚えておかなければならないので、計算問題というより知識問題です。
\(B=2(Δf_m+f_s)\)・・・・・(1)
\(B\):占有周波数帯幅[kHz]
\(Δf_m\):最大周波数偏移[kHz]
\(f_s\):信号波の最大周波数[kHz]
問1は、与えられた値をそのまま(1)式に代入して、
\(B=2*(45+15)=120[kHz]\)
と求めることができます。
また、FM送信では最大周波数偏移を信号波の最大周波数で割ったものを、変調指数と定義しています。
すなわち変調指数を\(m_{FM}\)とすると、
\(m_{FM}=\Large\frac{Δf_m}{f_s}\)・・・・・(2)
の関係があります。
これを変形すると\(Δf_m=m_{FM}f_s\)なので、(1)式は、
\(B=2(Δf_m+f_s)=2(m_{FM}f_s+f_s)\)
\(=2f_s(m_{FM}+1)\)・・・・・(3)
と書き換えることができます。
そして更に(3)式の両辺を\(2f_s\)で割って、右辺と左辺を入れ換えると、
\(m_{FM}+1=\Large\frac{B}{2f_s}\)
∴ \(m_{FM}=\Large\frac{B}{2f_s}\)\(-1\)・・・(4)
となります。
なぜわざわざこのように変形するかというと、たまに次のような問題も出るからです。
ある無線局においてFM(F3E)通信を行う。信号波の最大周波数が15[kHz]、変調指数が4のとき、占有周波数帯幅の値[kHz]を求めよ。
ある無線局においてFM(F3E)通信を行う。信号波の最大周波数が15[kHz]、占有周波数帯幅が210[kHz]のとき、変調指数の値を求めよ。
問2は信号波の最大周波数と変調指数が与えられているので、(3)式にそのまま値を入れて求めます。
\(B=2f_s(m_{FM}+1)\)
\(=2*15*(4+1)=150[kHz]\)
問3は変調指数を求める問題です。信号波の最大周波数と占有周波数帯幅が与えられているので、(4)式にそのまま値を入れて求めます。
\(m_{FM}=\Large\frac{210}{2*15}\)\(-1=6\)
※変調指数に単位はありません。
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このような問題は、まず「求めるもの」と「問題文に与えられているもの」を把握できるかがカギとなります。
それによって、使う式も変わってくるからです。
式は全部一度に覚えようとせず、まずは(1)式と(2)式を頭に入れて、後の式は変形して導けるようになると良いでしょう。