送受信装置

位相同期回路が関係する問題

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位相同期回路(以下「PLL(Phase Locked Loop)回路」)には、「入力信号と出力信号の位相が一致する」という特徴があります。

周波数変調に関する変調器や復調器のほか、周波数シンセサイザ発振回路としても使われ、電子機器を正常に動かすためになくてはならないものです。

こうしたPLL回路は、主に位相比較器、低域フィルタ、電圧制御発振器、分周器から構成されています。

⭕位相比較器(PC)
入力信号と(戻ってきた)出力信号の位相差を比較し、その差に応じたパルスを出力します。

⭕低域フィルタ(LPF)
位相比較器から出力されたパルスの高域成分を取り除き、直流電圧に変換します。

⭕電圧制御発振器(VCO)
入力された直流電圧の値に応じて、周波数を変化させた信号を出力します。

⭕分周器
PLL周波数シンセサイザとして使う場合に組み込まれ、入力信号の周波数を任意の正数倍の値にします。

このように、出力がその都度入力側に戻される構成なので、例え入力と出力の周波数がずれていても修正することができるのです。

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一陸特でもPLL回路に絡んた問題が出ますが、大抵構成図の空欄を埋めるか、文章の正誤を当てるかのどちらかです。

また、PLL単体よりも、PLL回路を用いた「変調器」あるいは「復調器」の形での出題が多くなっています。

<PLLを用いたFM変調器の構成例>

変調器の場合は、まず「水晶発振器」から搬送波(信号波を乗せる波)が出力され、位相比較器に入ります。
また、信号波(音声などの情報が含まれる波)は電圧制御発振器の前で入力され、結果的に変調された波が電圧制御発振器から出力されます。

<PLLを用いたFM復調器の構成例>

復調器の場合は、低域フィルタによってノイズが取り除かれた後、すぐに復調された信号として出力されます。

なお、電圧制御発振器については、大抵位相比較器に戻る途中に組み込まれています。

変調器・復調器両方とも、位相比較器→低域フィルタ→電圧制御発振器という信号の流れは共通です。

後は、位相比較器には二つの矢印が入る点と、変調器の場合は水晶発振器が組み込まれている点を押さえておけば、比較的簡単に得点できるかと思います。

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