無線のエキスパートであれば話は別ですが、資格試験で合格点を取るためには、あらかじめ時間をかけて対策しておく必要があります。
そこで気になるのが「合格レベルに達するまでかかる時間」じゃないでしょうか。
これについて、少し思うところを述べたいと思います。
「何時間やったか」より「何をやったか」
いきなり期待を裏切るようで恐縮ですが、正直「このくらいの時間をかければ合格」というのは人によって違います。
なぜなら、受験者には学生・社会人色々な方がいるからです。
仕事をしている場合も、職種によってどのくらいの時間が取れるかは、人によってバラつきがあるんですよね。
更に、ある程度無線に詳しい方もいれば、逆に全く初めてという方もいます。
理系の方もいれば文系の方もいます。
そのような中で、例えば私が「〇〇時間やれば合格だよ!」と言っても、おそらくそれが当てはまる人の方が少ないかと思います。
あともうひとつ、「何時間勉強したか」というのは、あまりアテにはなりません。
大切なのは「何をどのくらいやったか」で、「どのくらい時間がかかったか」というのはその結果の話です。
なので少し視点を変えて、「やるべきこと」から「必要な時間の目安」を出していくことにします。
1冊の過去問を何周もやる
別記事でも何度もお伝えしていますが、一陸特合格のカギを握るのは、過去問をどれだけ自分のモノにしているかです。
「モノにしている」というのは、問題を見た瞬間に解き方がふっと浮かぶ状態を指します。
このような状態までもっていくのは難しいと感じるかもしれませんが、意外とそうでもありません。
過去問をひたすら繰り返していくうちに自然と身についていきます。
ちなみに過去問に関わる際の順序としては、
2.すぐに「解答」に目を通し、解き方を把握する
これだけです。
ここでは例として、市販されている第一級陸上特殊無線技士 試験問題集 第3集に取り組む場合を挙げてみます。
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この問題集は、全部で470題集録されています。
これを順序に乗っ取って進めるとなると、おそらく問題文の把握で2分、解答の把握で同じく2分程度です。
最初は解けない問題がほとんどなので、焦らず落ち着いて内容の把握に努めます。
ひと通り解答まで読んだら再度問題を読み、次は少し自分の頭の中で思い出してみます。
すぐ答えが出れば良いですが、出なくてもまた解答を読んで、一旦その問題はおしまいです。
ここまでで、多めに見積もっても大体10分程度ぐらいですかね。
これを470題分やる場合、単純に10×470=4700分、およそ78時間かかります。
一陸特は過去問から多く出題されるので、この過去問集をマスターしている場合、実は既に合格レベルに達しています。
「マスターする」というのは先述した通り、「問題を見た瞬間に解き方が浮かぶ状態になること」ですね。
この状態になるためには、同じ過去問集を少なくとも3周はしたいので、78×3=234時間です。
その他に、わからない用語などをインターネットでちょくちょく調べる時間を加味すると、トータルで大体300時間必要と言えるでしょう。
何度も言いますが、300時間というのはひとつの目安であることをご理解ください。
スキマ時間を活用する
合格レベルに達するまで300時間とした場合、1日平均3時間やれば、3ヶ月ちょっとで到達できます。
仕事をしているとなかなか時間は取りにくいですが、電車通勤中や昼休み中など、ちょっとした空き時間を活用してみてください。
家に帰った後は特に気が進まないかもしれませんが、何も無理に机に座ってやる必要はありません。ソファーにゆっくり座ったり、床に仰向けになりながらやっても良いでしょう。
近年はスマートフォンが普及しているので、手軽に調べ物もできます。
忙しい毎日だからこそ、なるべく「勉強」と思わずに続けていってもらえればと思います。