変調・復調

同期検波を使ったQPSK復調器の問題

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(問)

下の図は、同期検波による4相PSK(QPSK)波復調器の原理的構成図である。
図中のAおよびBに当てはまる正しい字句を答えよ。

4相PSK(QPSK)波復調器の穴埋め問題です。

同期検波を使ったBPSK復調器の問題でも紹介しましたとおり、PSKとはデジタル符号に応じて搬送波の「位相」を変える変調方式です。

2相PSK(BPSK)では、搬送波が取る位相の状態が2種類だけでしたが、QPSKになると、4種類(\(0、\large\frac{π}{2}、π、\large\frac{3π}{2}\))の状態をとることができます。

これにより、対応付けられる符号も4種類(00、01、10、11)に増えるので、一度に2ビットの情報を送れるようになり、結果的に伝送速度が2倍になるという利点があります。

このようにして送られてきた変調波から目的の信号波を取り出すものが、QPSK波復調器です。

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この復調器は同期検波で使うので、構成がBPSK波の復調器とよく似ています。

○搬送波再生回路
○乗算器
○低域フィルタ
○識別器

上記4つは、BPSK波の復調器と共通です。

唯一異なるのは、QPSK波復調器には\(\large\frac{π}{2}\)移相器が組み込まれている点です。

BPSK復調器と同様に、搬送波再生回路からは変調時に使った搬送波と全く同じものが出てきます。

BPSK復調器では、この搬送波と変調波を掛けるだけでOKでしたが、QPSKになると、別途位相を\(\large\frac{π}{2}\)だけずらした搬送波も作る必要があります。

つまり、

●「搬送波」と「変調波」を掛けたもの
●「位相を\(\large\frac{π}{2}\)だけずらした搬送波」と「変調波」を掛けたもの

この二つを使うことで、結果的に4種類の位相に対応した復調を行うことができるのです。

というわけで問題の正解は、

A=\(\large\frac{π}{2}\)移相器
B=識別器

となります。

識別器はBPSKと同じく、アナログ信号をデジタル信号に変換するためのものです。

実際の問題では受験者を惑わすために、移相器が\(π、\large\frac{π}{4}、\large\frac{π}{8}\)などと形を変えて出てくるので、注意しておいてください。

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