変調・復調

デジタル無線通信における誤り制御

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無線関係の伝送路には、主に自由空間や空中線(=アンテナ)、同軸ケーブルなどがあります。

情報が含まれる「信号」がこのような伝送路を通ると、その進行を妨げるもの(雑音)の影響を受けることがあり、これにより受信側で符号の誤りを検出することがあります。

アナログと違い、デジタルの世界では0と1の組み合わせで情報が構成されているので、1ヶ所見誤っただけでも、本来とは別の情報だと認識してしまう恐れがあります。

このため受信側において、誤りを検出した際の対処、すなわち「誤り制御」が必要になります。

誤り制御の種類

受信側は「間違いだ」と気付いた時、一体どのように対処するのでしょうか?

大まかには、

送信側に「また送ってくれ」と伝える
自分達で何とかする

この二通りです。

<「また送ってくれ」と伝えるARQ
ARQ(Automatic Repeat reQuest)は、誤りを検出するとすぐに送信側へ再送を要求します。

要求を受け取った送信側はすぐにデータを再送し、受信側はこれを受け取って、誤った符号を訂正します。

「Repeat reQuest」にもある通り、誤りを検出する度に要求を繰り返しているのです。

<「自分達で何とかする」FEC

FEC(Forward Error Correction)は、送信側に再送を要求せず、自分達で誤りを訂正します。

この時、訂正用の「誤り訂正符号」が使われます。

※ここでの詳しい説明は省略しますが、誤り訂正符号には、生成方法によって「ブロック符号」と「畳み込み符号」があります。

ひとつ大事なこととして、ARQは受信した後に送信側に再送要求し、それを更に受信するので、当然ながらタイムロスが発生します。
(FECのように自分達でパッと訂正した方が速いのは、直感的にお分かりいただけるかと思います)

なのでARQは、伝送遅延がある程度許容されている場合のみに使われます。

このような、ARQが使われる条件も一陸特では問われるので、頭の隅に入れておきましょう。

誤り制御の問題例

(問)

次の記述は、デジタル無線通信における誤り制御について述べたものである。空欄に入れるべき字句を答えよ。

デジタル無線通信における誤り制御には、受信側で誤りを検出した場合、主に送信側へ再送を要求する( A )という方法と、送信側へ再送を要求せず受信側で誤りを訂正する( B )という方法がある。
このうち、伝送遅延がほとんど許容されない場合に使用されるのは、( C )である。

送信側に再送を要求するのは「Repeat reQuest」が含まれるARQ、受信側(自分達)で誤りを訂正するのはFECでした。

また、ARQは再送要求のためタイムロスが発生するので、伝送遅延が許されてないと使えないのでしたね。

なので最後の四角にはFECが当てはまります。

(答)
A=ARQ
B=FEC
C=FEC

どちらかというと、ARQの方が「ARQ=Repeat reQuest=再送要求=遅延が許される場合」と関連付けやすいので、まずはこちらをしっかり頭に入れておいてください。

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