中継方式

一陸特の試験に出る中継方式の違いを把握しよう

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電波法では、一定の固定地点間の無線通信業務を行う局を、「固定局」と定めています。

固定局同士の通信には主にマイクロ波が使われますが、マイクロ波は減衰しやすく雑音にも弱い性質があるため、適当な距離ごとに中継が必要となります。
(特に周波数が高くなるとこの性質が顕著に現れるので、その分中継距離は短くなります)

中継することで、弱まった電波は増幅されて送り出されるので、安定した通信が可能となります。
今回はこの中継方式について、紹介したいと思います。

よく出る中継方式は4つ

一陸特の試験に関しては、次の4つの中継方式について特徴をおさえておけば良いでしょう。

●直接中継方式
●非再生(ヘテロダイン)中継方式
●再生(検波)中継方式
●無給電中継方式

直接中継方式

名前の通り、受信したマイクロ波を直接増幅して送信する方式です。

ただ、送信周波数と受信周波数が全く同じだと、送信された電波が受信アンテナ側にまわり込んで干渉の原因となってしまいます。

このため、送信周波数は受信周波数から少しだけ偏移(変化)させたものを使っています。

非再生(ヘテロダイン)中継方式

この中継方式では、受信したマイクロ波を一旦中間周波数に変換した後に増幅します。

<中間周波数とは?>

RF(無線通信に利用できる周波数)と、信号波(音声やデータなどの情報が乗った信号)の周波数の「間」に設定した周波数を指します。

スーパーヘテロダイン方式の受信機では、受信した周波数は高過ぎて増幅器やフィルタを正常に動作させにくいため、一旦中間周波数に変換した後、信号波を取り出す仕組みが採用されています。

増幅後は再び元の周波数に変換し、再度増幅して送信します。

変調や復調を行わないのでひずみの累積が無く、予備回線への切り替えも可能です。

再生(検波)中継方式

受信したマイクロ波を一旦復調し、再度別の周波数で変調して送信する方式です。

特にデジタル通信では、復調した信号は波形が整えられたりタイミングの取り直しが行われるので、ひずみや雑音の累積がありません。

無給電中継方式

外に設置された金属の反射板によって、電波を別のアンテナへ向けて反射させる方式です。

前の3つの方式と違って信号を増幅したりはしないため、比較的通信距離が短い場合に用いられます。

反射板を大きくしたり、電波の入射角を小さくするほど、伝送損失が少なくなります。

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以上4つの中継方式を見てきましたが、
あらためて中継方式ごとのキーワードを挙げると、下記のようになります。

●直接中継方式
直接増幅、周波数を偏移させる

●非再生(ヘテロダイン)中継方式
中間周波数に変換、ひずみの累積が無い

●再生(検波)中継方式
一旦復調、再度変調、デジタルではひずみの累積が無い

●無給電中継方式
金属反射板、近距離通信

実際の試験では、「穴埋め」か「選択肢の正誤を当てる」問題がほとんどなので、各中継方式の特徴を頭に入れておいてください。

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